ウイスキーの記事やラベルには、聞き慣れない言葉が次々に出てきます。エンジェルズシェア、ヴァッティング、ノンチルフィルタード——意味がわからないまま読み飛ばすと、情報が半分しか入ってきません。
この記事では、よく出てくる用語をカテゴリー別に整理しました。上から読む必要はありません。わからない言葉が出たときに戻ってくる辞書として使ってください。
目次
種類・分類の用語
- シングルモルト|単一蒸溜所で、大麦麦芽のみを原料に作られたウイスキー
- シングルグレーン|単一蒸溜所で、トウモロコシや小麦などから作られたもの
- ブレンデッド|複数蒸溜所のモルトとグレーンを混ぜたもの
- ブレンデッドモルト|複数蒸溜所のモルトのみを混ぜたもの。グレーンは不使用
- シングルカスク|たった1つの樽から瓶詰めしたもの。樽ごとに味が違う
- ヴァッティング|同じ蒸溜所の複数の樽を混ぜて味を整える作業
- ブレンディング|異なる蒸溜所の原酒を混ぜて味を作る作業
- ボトラーズ|蒸溜所から樽を買い、独自に瓶詰めする業者。同じ蒸溜所でも味が違う
- オフィシャル|蒸溜所自身が出しているボトル
種類の違いはシングルモルトウイスキーとは?でくわしく扱っています。
製造工程の用語
- モルト|発芽させた大麦(麦芽)
- ピート|泥炭。焚くとスモーキーな香りが麦芽に移る
- マッシュタン|麦芽と温水を混ぜ、糖を取り出す仕込み槽
- ウォート|糖化でできた甘い麦汁。まだアルコールはない
- ウォッシュバック|発酵槽。ここで酵母がアルコールを作る
- ウォッシュ|発酵を終えたもろみ。度数7〜9%程度
- ポットスチル|銅製の単式蒸溜器。形状が酒質を左右する
- ニューポット|蒸溜直後の無色透明な液体。まだ樽に入っていない
- ミドルカット(ハート)|蒸溜液の中間部分。ここだけを樽詰めする
工程の流れはウイスキーはこうして生まれる|製造工程6ステップで図解しています。
熟成・樽の用語
- エンジェルズシェア|熟成中に蒸発して消える分。年2%前後。「天使の分け前」
- デビルズカット|樽材に染み込んで取り出せない分。「悪魔の取り分」
- フィニッシュ(後熟)|熟成の最後に別の樽へ移し、風味を重ねる手法
- ダブルカスク|2種類の樽を使って熟成させたもの
- バーボン樽|アメリカンオーク。バニラ、ハチミツ系の甘さ
- シェリー樽|ヨーロピアンオーク中心。レーズン、チョコ系の濃厚な甘さ
- オロロソ / PX / フィノ|シェリーの種類。PXが最も甘く、フィノは辛口
- ミズナラ樽|日本固有のオーク。白檀や伽羅のような和の香り
- リチャー|樽の内側を焼き直して再生させること
樽ごとの香味の違いは樽で味が決まるにまとめました。
数字・表記の用語
- ppm|麦芽のフェノール値。ピートの強さの目安。瓶の中では半減する
- ABV|アルコール度数(Alcohol By Volume)
- プルーフ|米国式の度数表記。数字の半分が度数(100 Proof=50%)
- カスクストレングス|加水せず樽出しのまま瓶詰め。50〜60%台
- ノンエイジ(NAS)|熟成年数を表記していないボトル
- ノンチルフィルタード|冷却濾過なし。香味成分を残す設計
- ナチュラルカラー|カラメル着色なし。色は樽由来のみ
数字の読み方は「12年」の意味と度数とカスクストレングスで解説しています。
飲み方の用語
- ストレート(ニート)|そのまま。何も加えない
- トワイスアップ|常温の水と1:1。香りが最も開く比率
- ハーフロック|氷を入れ、水を1:1で加える
- ミスト|クラッシュドアイスを詰めたもの
- チェイサー|合間に飲む水。味覚をリセットする
- フロート|水の上にウイスキーを浮かべ、混ざる過程を楽しむ
飲み方の実践はテイスティングの手順とウイスキーの美味しい飲み方3つのポイントへ。
味わいを表す言葉
- ピーティー|ピート由来のスモーキーさが強い
- スモーキー|煙の香り
- ヨード香|消毒液や磯を思わせる香り。アイラに多い
- シェリー香|レーズンやドライフルーツの甘い香り
- オイリー|口当たりにとろみや厚みがある
- ドライ|甘さが少なく、辛口
- フィニッシュ|飲み込んだ後に残る余韻
- ウッディ|木の風味が強い。長期熟成で出やすい
まとめ
用語は暗記するものではなく、必要になったときに調べれば十分です。ただし次の4つだけは、知っていると読める情報量が一気に増えます。
- シングル=1つの蒸溜所(1つの樽ではない)
- ノンエイジ=年数非表示。安物という意味ではない
- カスクストレングス=加水なし。自分で濃さを決められる
- フィニッシュ=最後に別の樽で後熟。味の個性づけ
この4つを押さえたうえでラベルの読み方に進むと、店頭でボトルを選ぶ精度が変わります。産地の知識はスコットランド6大産地ガイド、銘柄選びは【価格別】おすすめウイスキーランキングへ。
